IR情報Investor Relations

株主・投資家の皆様へ

代表取締役社長 津村 尚史
利益を確保しながら、
イノベーションも推進し
持続的成長へ。

当社グループは創業以来、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」という経営理念のもと、ニッチ・トップのモノづくり企業として、大学や研究機関と連携し、研究・開発に取り組んでまいりました。当連結会計年度は、黒字化を達成した前期に引き続き市場は活況。オプティカル、ライフサイエンス、機器開発という独自技術を利用した3事業と子会社の電子科学株式会社の4つを柱に、グローバルに事業展開を推し進めた結果、過去最高売上高を確保することができました。しかしながら業績としては、例年売上計上が第4四半期偏重の傾向にあるなかで、一部製品に検収の遅れが生じたことなどが影響して計画達成には至らず、増収減益となりました。ただ、引き続き主力製品の高精度ミラーを中心に順調な需要が見込まれ、今後も売上拡大が期待されています。

また、中長期戦略として今後成長が見込まれる市場開拓を推進するなかで、少しずつですが着実に成果が表れています。オプティカル事業と機器開発事業においては半導体ビジネスへの進出に注力し、一部製品で量産化を進めています。ライフサイエンス事業でも、認知症治療における再生医療等製品の事業化が今春からスタート。また、電子科学株式会社は、水素脆化に特化した新たな昇温脱離分析装置(TDS)を開発し、販売が始まりました。これらが新たな事業の柱となるべく、引き続き新規事業分野の基盤構築・拡大を推し進めてまいります。

企業経営をするうえで、毎年一定の利益を確保し続けることは大切ですが、他方、「現状維持は最大のリスク」です。企業の持続的成長に向けては、先を見据えた長期的な視点でのイノベーションへの挑戦が不可欠と考えます。当社グループでは、中期3ヶ年経営計画に加え、長期的な事業展望を伝えるための長期成長戦略「Innovation2030」を策定し、果敢に取り組んでいます。適時情報開示を通して、すべてのステークホルダーの皆様に、将来に向けた当社の取り組みをご理解いただくとともに、いただいた意見や評価をもとに課題を認識し、今後の事業経営に活かしてまいります。また同時に、社会の持続的成長に向けてサステナブルな視点での事業展開も重視しています。グリーンファシリティを提唱する「SPring-8」等施設への製品提供や、薬品・油を使わない当社独自の加工技術の研究開発などを通して、SDGsやカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。今後とも変わらずご支援とご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長 津村 尚史